2016年12月15日木曜日

トリエステだけじゃなく、アレッツォもすごいぞっ。

11月21日(月)9:00~18:00 アレッツォ視察研修

①精神保健センター
②総合病院(精神科救急)
③レジデンス

精神保健センターは、145,000人を対象とした行政区域を担当し、精神科医・精神科看護師を中心に心理士、福祉士などのチーム構成で、住民の精神衛生を保つことを目的に活動していた。


24時間365日対応で、医療面においても医学モデルではなく生活モデルが中心。
訪問診療、訪問支援が中心で、心理教育、自助グループ、緊急対応、デイケア、レクリエーション、レジデンスなどのサービスを行っている。この辺はどの州も同じような対応をしている印象だった。

これらのサービスは行政の予算で運営する公共サービスのため、予算の削減などできることが出来なくなることもある。特に、昨年まではアレッツォ県のみを対応していたが、今年からブロッセントも対応することになって対応が追い付かないと話していた。
予算に依存しているので、財政状況に大きく影響を受けてしまう点は怖いかなと思う。来年からは大幅削減もありうるからね。


「アレッツォには、バザーリアの前から生活モデルを実践している精神科医がいたんだよっ  ( ̄ー+ ̄)キラーン」と話していた。やっぱり、イタリア全土にそういう医者が出てきていた時代なんだろうと思う。
でも何となく感じたんだけど、かなりトリエステを意識してる...。


バザーリア法の失敗についての話。
退院後のケアの問題。退院後のケアが全然足らなかったということ。
逆に成功点としては、各地に訪問サービスが広がったこと。訪問診療を行うことで看護師が一番勉強になったのではないか?と話していた。

訪問サービスがなぜ必要なのか?
服薬している患者さん以外も対応することができること。薬だけでなく、ソーシャルワーカーも同行するので、様々な対応ができる。
ただ、基本的な家事などをすることはほとんどなく、励ましたり、本人が出来るように支援する事が中心。全てが公的なサービスなので、何でもやってあげるという考えではないとのこと。
本人主体でできることはやってもらうという姿勢はいいと思うが、一人ひとりの細かなニーズに対応できるわけではないんだろうと感じた。


【センターで話していた4つのルールについて】
・医者は話すのではなく、患者の話を聞け! 患者にも情報共有すること。
・困難なことは相手に伝えない。
・できることに目を向けて、一人一人の対策を見つける。
・患者さんに最大限の関心を持つこと。
先生が語っていた4つのルールは、福祉の仕事でも役立つことだと思う。


全体的な印象として、トリエステより医療面の対応が強かったように思う。色が違うよね。治療面でも入院等の緊急対応も比較的やっている印象だし、服薬などの医療面の重要性を多く語っていた。


次は一般病院内にある精神科救急の見学。

 






精神科救急では、病床数は9床で入院対応も15日が限度。
これはどこでも共通しているが、入院は短く地域にて対応するということ。またグループ心理教育に力を入れている。
ここでは、看護師の育成に力を入れており、心理教育等の訓練もする。育った看護師が地域での生活支援の担い手へとなって巣立っていくとのことであった。


病院の先生の話。
「トリエステの保健センターのベットのことだが、精神患者を本当に一般の人と同じように扱うなら、ベットを置かないほうが良いと思っている。これはトリエステへの批判ではないけどね ( ̄ー+ ̄)キラーン」


精神保健センターの時から、ちょいちょいトリエステの話や比較が出てきていたが、アレッツォではトリエステをかなり意識している印象だった。

「トリエステだけじゃなく、アレッツォもすごいぞっ。」 って(笑)



最後は、レジデンスの見学。


 




レジデンスは、デイサービスや訪問サービスを利用しても効果が少ない急性期の方が対象で、日常的な生活訓練を行い、アパートへの生活移行を目的にしているところ。日本でいう入所型の生活訓練施設と同じだと思う。

またここでは、軽~中度の法に触れた18歳未満の精神病者の生活訓練も行っている。
グループワークを多く取り入れ、SSTやアッセンブレア等を行っている。

利用者さんがより自立した生活をするための機関として重要な役割を担っていると感じた。


長くなったので、ここで終了。
次回は4日目最終日です。
では。


今回はこの写真で。


実は、ライフイズビューティフルの映画の撮影地です。




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