2016年12月8日木曜日

精神病はエピソードである。

11月18日(金) 9:30~18:00 ヴェローナ視察研修にて。

①ヴェローナ大学にて ー グルーチ先生の講義
②精神保健センターの見学
③自助活動組織(グループホーム)の見学

ヴェローナ大学での講義では、バザーリア法の歴史と法の中身、出来てからの現在の状況についてを詳しく説明して頂きました。









(以下、ざっくりとした流れ)
・バザーリア法ができる前の法律から、入院日数が少しづつ減ってきていた。
・1960年バザーリアと賛同する精神科医が集まり改革を始めた。
・1978年180号(バザーリア法)の成立。
・新たに病院を作らない。患者さんを入れない。などの精神病院を廃止する制度となった。
・精神病院から総合病院内の精神科救急への移管。入退院の日数が激減。
・総合病院内の精神科救急での治療も減り、コミュニティーケア・デイケア・アンブラトーリオなどのサービスが
 増えた。


その根底にあったのは、
精神病院は治すところではなく、悪くするところ。(被害者となるキャリアが始まるところとまで言ってた。)
精神病院は治らない。だからこそ環境の改善が必要だ。
            ↓     
自由こそが治療であり、普通の生活をしていくことが治療になる。


では、精神病院をなくすためには何が必要なのか?
①総合病院内での精神科救急サービス。
②精神保健センターのようなコミュニティーサービス。(様々な機能があります。)
③レジデンシャルサービス。(生活訓練などの訓練)
④グループホーム。


グルーチ先生の言葉で印象に残っていること。

精神病はエピソードである。

症状が悪いときは治療が必要であるが、そうでない場合は必要がないもの。

エピソードという表現は面白いな~と思った。でもなんかそうだよねって、腑に落ちたんだよね。


今回の講義は、自分が知らないことも多かったのでとてもためになりました。
しかし、先生というのは話が長いね…
とても勉強になったけどさ。
いつ終わるのか?ゴールが見えませんでした...。


次は精神保健センターでの見学。









その建物はもともとは精神病院で使われていたところを改装して精神保健センターにしたところだった。
そのためどこか少し冷たい感じ(トリエステより)がしたが、患者さんの様子とか表情を見ると、良いケアがされているんだな~と感じた。

ここでは精神科医の研修医が6人くらい学んでいて、精神科医を育てる研修システムがしっかりしている印象を受けた。ヴェローナ大学の精神科医の卵がここで研修して、それぞれの現場へと巣立っていくみたいですね。

それとスポーツや芸術などの作業療法、訪問サポート等、手厚くサポートしているように感じた。

センターの中の機能や役割については、トリエステとあまり変わらないが、運営方法については若干色が異なるように感じた。


最後に自助活動組織の見学。


市民の住む一般のアパートの一部を借りて、事務所とグループホームを利用しているところを見学した。
一般の住居を間借りしているので、市民が隣に住んでいる。この点は、日本ではなかなか難しいところもあるのかな~と思った。
ただ、中身の運営自体は日本のグルーホームとあまり変わらないかな。
設備基準としては日本のが全然厳しいと思う。まあ制度が違うし、民間も運営するから仕方ないけどね。
ホームに住んでいる利用者さんはみんな穏やかに楽しそうに生活していました。


トリエステとヴェローナ、関わりにおいて核になる部分は共有しているが、中身の運営についてはその土地の特色があるように感じた。


とりあえず長くなってしまったので、また次に。



ゴールが見えない講義...、ゴールの見えない会食にて(笑)。


この会食が終わったのは、日が変わってからでした...( ノД`)



今回も最後はきれいな写真で。
ヴェローナの闘技場の夜景です。




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