2011年7月13日水曜日

自殺対策支援。

自殺者を減らすための支援をするにはどうしたらいいのか?

 その活動を専門的に行ってきたわけではないため、確実に改善できる対策を実行していけるかは分かりません。ただ、これまで精神保健分野で様々な相談を行ってきましたが、個々それぞれ様々な環境の中(学校、職場、家庭など)でストレスが溜まり、それが精神状態を悪化させてしまうケースは多く見られました。そして、その状態が続けばさらに精神を悪化させ、自殺してしまうケースも多いように思います。自殺問題と精神状態の悪化(精神疾患)が深く関わっていることを考えれば、その様な状況を未然に防ぐ活動も必要ではないか?と、私は考えています。


 現在、心に不安や悩みを抱えている人はたくさんいると思いますが、どこに相談しているのか?
私自身が見てきた範囲では、精神的な悩みが続き、どうしようもなくなれば精神病院またはクリニックに行くというケースが多かったように思います。また、何か問題を起こして入院になったり、家族がHELPという形で入院になったりという形もたくさん見てきました。これらの様にかなり悪化した状態になってやっと医療と繋がるというケースはとても多いです。それは、まだまだ精神病院の敷居が高かったり、精神病というのもまだまだ一般的ではないことも影響しているのではないでしょうか。


 では実際に病院へ行く前の相談場所としては、どこに行くのだろうか?
そ れは人それぞれで保健所や保健センターだったり、県の相談機関(多様な問題に対し、様々な専門相談がある)だったり、多様な問題を支援するNPOなど様々な所に相談に行きます。ただそれらの機関を知らず、どこにも繋がらなく苦しんでいる人も多い現状がみられました。知られていないが、人口の少ない地域でも引きこもっている方は非常に多いんです。
 様々な精神的な悩みをもつ当事者は、「どこに相談すればいいのか、どこで支援してくれるのか。」と思っている人は非常に多い。相談の際にサポート機関を紹介すると「そういう機関があったんだ。」と言う人も多く、様々な制度や機関があってもそれをみんなが知らない、知られていない現状もあると感じました。このような状況では、制度を整えるだけでは意味が無いと思います。

 精神疾患の相談機関として、障害福祉分野では相談支援事業所があります。しかしそこは、精神障害になる前の段階ではそこに相談に行くことも少ないですし、その機関事自体にも相談者が少ないという現状があるとのことです。(全部の機関の話ではありません。私の地域の方では。)
これは、一般的に福祉=高齢者、障害者と思われており、障害に含まれない(病気か分からない)精神の悩みは、どこに相談すればいいか分からないという情報取得の差に問題があると思います。また、障害者自立支援法では助けられない精神疾患(特に障害かどうか微妙な方など)の方もたくさんいるが、給付費など設定されていないケース(サービス)も多く、手助けしようがないという面もあります。それから、障害ではない精神的な問題(ボーダーライン)に苦しむ方々の、セーフティネット(助けるための機関、手段)が整っていないこという現実も大きな問題です。

 これらを意識しだしたことで、私は精神疾患またはそれによらない心の悩みのある方々の、精神面が悪化する前の相談機関になれればと考えました。それは誰でも気軽に相談でき、みなさんに幅広く認知されている機関であることが重要です。また様々なサポート機関の情報を広く発信する、それらの機関とのコーディネーションを図ることが必要だと思います。
 気軽に悩みを相談できること、様々な機関と連携がとれている機関であること、情報収集しそれを広く発信していくこと、などを達成できるような活動を作っていければと思います。

 その内容については、また今度書いていきます。

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