2016年11月19日土曜日

これはクライシスだよね。


トリエステには精神病院がない。

病院がなくても、患者を地域生活の中で支えている。

 「クライシスの時はどうするんですか?」
日本人の気になるところ。
特に医療関係の人は気になるであろうこの手の問いはよく出る。 


トリエステではクライシスをチャンスと見る。
その人のことをよりよく知る機会となり、その経験が彼らの地域生活での支援に活かされて行くと。


「でも、自傷他害の場合はどうするんですか?」
自傷他害の場合でも、検査や診察をして精神保健センターへ行くことが多い。
どうしてもそれが難しいと判断したら、入院で対応することもある。
ただしケースは少ないし、入院しても数日で出て行くことが多い。

ここで質問者は、ホッと胸を撫で下ろす。
どこまでも聞いて引き出したい、入院との言葉。
この手の質問は、クライシスでの対応について、自分の考えや行動を正当化したい気持ちが含まれているように感じる。
薬でおとなしくさせる。それでもダメなら入院だなって。まるでそれが当たり前のようにね。


でもトリエステではほとんど入院中心の対応を行なっていないように思う。
それは肌で感じた。
そうならないような仕組み、向き合い方と対応をしっかり確立しているようだった。
しかしそれは制度の違いや、支援者とチームの力量にも寄ってしまうけどね。


そもそもクライシスの捉え方が日本とは全然違うし、これはクライシスだよね度(度合い)も大きく幅がある。

トリエステではクライシスをチャンスと捉えるが、日本はクライシスを限界と捉える。
もうこうなったら無理みたいな。限界は、支援、サポートの意味で、やりようないから薬飲ませて黙らせて、入院させるしかないと。


またクライシスの幅も全然違う。
トリエステでは、大声あげて騒いでても、彼だしね、しょうがないと。
しかし日本だったら、クライシスだね、入院だよってなるケースもある。

これは、バザーリアと弟子との相談の時の話のこと。
「彼は大声を出さないと生きていけないけど、僕は大声を出さなくても生きていける。それだけだよ。」と伝えていたことにも大きく関わっていると思う。
違いを認めることが根付いている。


そうクライシスへの懐の深さが大きく違うんだよね。

だから対話の時は、日本とイタリアで言ってることと感じてることが食い違っているように感じるんだと思う。


クライシスへの向き合い方と対応方法。
これが、これからの日本の精神保健にとって重要な課題なんだと思う。


これまではクライシスへの対応を含め、大変なことを何でも精神病院に投げてきた。
それが今、精神保健領域の歪みとなって表出してきている。


もう少しクライシスへの対応を含め精神病院へ押し付けるのではなく、福祉の力で地域生活を維持できるように、自分たちが力をつけていかなくてはいけないんだと思う。


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2016年11月15日火曜日

歩いていこう、自分の道を。

道はいろんなところで分岐していて、その先々でも分岐している。

どの道を行ったらいいのか?

こっちに行こうとしたけど、いやあっちかもしれないな。
でもな~、こっちでいいのかもしれない。
そんな選択の繰り返しで、今の立ち位置になっているのが今の人生。

あそこであっちに行ってたらな~。
人生変わっていたかもしれない。
そう思うことも、しばしばある。
自分の夢へと続く分岐点、数々こなしてきた結果が今の俺なんだよね。


「昔に戻りたい。」
誰しも考えるであろう過去への逃避。


でもその先にあるのは、取り戻したい夢の半分を探しているんじゃないだろうか。
別の人生だったら、夢も花咲いていたかもしれないってさ。


でも、そう考えたってどうしようもないこと。


あの時はって考えちゃうけど、それらを選んだ過程に今の道がある。
どれがいいか分からないけど、今の道を信じて進む方が大切だと思うんだ。


もし失敗しても大丈夫。きっと、その先にはまた道がつながってるんだから。



と、自分を励ます(笑)




では、イタリア研修行ってきます(*゚▽゚)ノ


研修は、15日から24日の10日間です。

研修中のご連絡は、FBメッセ、LINE、Mailにてお願いします。

Mail : boss@npo-smsc.jp

写真は特に意味はないです。



2016年11月6日日曜日

ソーシャルファームジャパン in つくばに行ってきた。

10月につくばで行われたソーシャルファームジャパンに行ってきました。

ソーシャルファームというのは、日本では最近になってよく聞くようになってきが、世界ではもっと早くに広がり、認知されてきたモデルのこと。
1970年代にイタリアのトリエステにて、精神病院入院患者が病院職員とともに地域で就労する施設が設立されたことが始まりで、それから世界各地へと広がっていった。
ソーシャルファームの概念や取り組みは、世界によって意味が多少異なっている。ただ、就労が困難な人と健常者が同等の条件でともに働き、同等の賃金を得ているというのがその要素だと思う。ソーシャルファームの基準については、法律を定めるなどの国によって基準を定めていることもあり、とても差があるみたいだ。
また、障害のある方の場合は、程度に応じて助成金が支給される国も多いらしい。

日本でも少しづつだが事例が出てきて、ソーシャルファームジャパンも発足されたが、認知度はまだまだ低いのではないかな。少しづつ増えてきたけど、日本でのソーシャルファームは障害分野でいえばA型になるのかな~と思う。他の形ももちろんあるけどね。保険給付が出てる分、海外よりはメリットがある部分もある。

今回のイベントで感じたのは、どのような状況であれ、就労に困難がある人(障害がある人)と健常な人が共に働き、同等の条件と賃金で就労していくっていうことが世界的に求められているし、国によって取り組みが違えど、目指しているところは同じなんだ~と感じた。あたりまえだけどね。

それと印象に残ったのが、ソーシャルインパクトボンド(SIB)という取り組み。
社会的コストを低減する、行政が未だ実施していない事業を、民間投資によって行い、行政がその成果に対する対価を支払う社会的インパクト投資モデルのことを言う。SIBは、事業が失敗するリスクを行政機関から投資家へ移転する仕組みから、リスクはあるが高い効果を見込める新しい事業を大規模に実施する前に、実際に効果があるかどうかを確認する目的で行われる実証実験に適している。

この取り組みは日本でも広がってきていて、NPO活動の事業活動に対する費用対効果を図り、助成金や投資等、支援先や団体の選定等にも大きく影響すると思う。

SIBは以前から知っていたので、どうにか自分の事業にも当てはめていきたいけど、なかなか自分の理解が難しい...(><。)



仏ジャルダン・ド・コカーニュ創設者 ジャン・ギィ・ヘンケルさんと。


そして、ヘンケルさんの話。
お金を寄付する人たちは中流階級が多い。フランスや欧米では。所得が低い人たちも出している。
寄付を集めたいなら、お金を使わなくてはならない。人材や、キャンペーンなど。そのような取り組みがこれからは必要と話していた。

それとコカニューインベスティメントという取り組み。100ユーロの株券を購入すると7年間は無配当、その分税金が軽減される仕組み。このようにNPOの活動自体も株券を発行し税金への反映等、行政を巻き込むような取り組みも必要だって。



自然薯クラブの見学にて。


うちは利用者の就労を目指しているし、そのような活動が中心だ。しかし彼らは、主体性を重視し、働くこともするが、芸術活動にとても力を入れている。
芸術活動以外での社会との接点は少ないように感じたが、そのような才能のある利用者にとっては理想郷だと思った。

太鼓や踊り、絵などの創作活動は鳥肌が立ったね。

自分とは目指すとこが違えど、代表が描いている未来は自身の信念にぶれずに活動しているのが見て分かったように感じる。

信念は違えど、その信念と取り組みには敬服です。


いろいろ出て思うけど、すごいところはたくさんあるし、目指すべきところもまだまだ高い。
楽しくなるね(^m^ )

ワクワク ((o(´∀`)o))


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地方で起こす "collective impact"

今年の1月より市より委嘱を受けた、生活支援コーディネーター(SC)というお仕事。 順調に活動を始めて3ヶ月が経ちました。 長時間ではないにせよ、月に8日活動したのでこれまで24日くらい業務しています。 現在どういう活動をしているかというと、地域住民が主体となって...